7月29日から8月7日までの10日間、stand.fm用のボイスメモでは、小売業、世界遺産、SNS、ゲーム、健康など、毎日異なるテーマについて話しました。
一見すると、まとまりのない話に見えるかもしれません。
しかし振り返ってみると、すべての話に共通していたのは、**「人は何によって学び、どうすれば成長を続けられるのか」**という問いでした。
知識を得るだけでは、学びは完成しません。実際に体験し、言葉にして、自分の勘違いや未熟さに気づく。その気づきから理解が深まり、さらに好奇心が生まれていきます。
今回は、この10日間の音声配信を振り返りながら、今の自分が考える「大人の学び方」を整理します。
7月29日|小売業の仕組みを知ると、価格の見え方が変わる
最初に考えたのは、スーパーマーケットや小売業の仕組みです。
店頭に並ぶ商品の価格だけを見ていると、安い店と高い店の違いしか見えません。しかし、その価格の背景には、仕入れ、人件費、家賃、水道光熱費、物流費、税金、廃棄ロスなど、さまざまな負担があります。
売上が大きくても、利益が残るとは限りません。
小売業を見るうえで重要なのは、単純な売上高ではなく、次のような数字です。
- 一人のお客様がいくら購入するか
- 一日に何人来店するか
- 商品一つにつき、いくら粗利益が残るか
- 固定費を回収するために、何個売る必要があるか
- 売れ残りや廃棄をどこまで減らせるか
これは、私が経営する低価格帯のカット・カラー専門店にも、そのまま当てはまります。
安くすればお客様が増えるとは限りません。反対に、値上げをすれば利益が増えるとも限りません。価格、来店人数、施術時間、人件費、材料費を一つの仕組みとして考えなければ、継続できる商売にはならないのです。
知識をインプットすると、普段利用している店の見え方まで変わります。これも勉強の面白さだと思います。
7月30日|縄文遺跡から「暮らしの積み重ね」を学ぶ
世界遺産検定の勉強では、「北海道・北東北の縄文遺跡群」を取り上げました。
この世界遺産は、北海道、青森県、岩手県、秋田県にある17の遺跡で構成されています。農耕社会が始まる以前に、人々が採集・漁労・狩猟を基盤としながら定住生活を続け、祭祀や儀礼を含む精神文化を発展させたことを伝える遺産です。詳しくは「北海道・北東北の縄文遺跡群」公式サイトで確認できます。
歴史の勉強というと、登録年や遺跡名を暗記するイメージがあります。しかし本当に面白いのは、当時の人々が何を見て、何を恐れ、何を願いながら暮らしていたのかを想像することです。
筋力トレーニングも同じで、一度頑張っただけでは大きく変わりません。小さな行動を積み重ねることで、身体も考え方も少しずつ変化します。
縄文の人々が長い時間をかけて暮らしを築いたように、現在の自分も毎日の習慣によって形づくられているのだと思います。
7月31日|勉強は「敬い」と「謙虚さ」につながる
この日に考えたのは、勉強、謙虚さ、敬いの関係です。
私の中では、学びは次のような循環になっています。
勉強する\n> ↓\n> 気づきが生まれる\n> ↓\n> 理解が深まる\n> ↓\n> 自分の知らなさを知り、謙虚になる\n> ↓\n> 人や物事を敬うようになる\n> ↓\n> さらに好奇心が湧く\n> ↓\n> また勉強したくなる
何も知らないうちは、簡単に分かったつもりになれます。
ところが、深く学ぶほど、その分野に積み重ねられてきた技術や努力が見えてきます。そこで初めて、自分の知識の浅さにも気づけます。
謙虚さとは、自分を必要以上に低く扱うことではありません。自分の現在地を正しく知り、他者の経験や技術を軽く見ない姿勢です。
そして敬いとは、知識から生まれた理解が態度として外に現れたものなのだと思います。
8月1日|SNSの「自慢」と「宣伝」は、主語が違う
妻から「それでは宣伝になっていない」と指摘されたことで、SNS発信について考え直しました。
トレーニングの記録や自分の頑張りを投稿すること自体は悪くありません。しかし店舗のアカウントで発信する場合、見ている人が知りたいのは、経営者がどれだけ頑張っているかではなく、**「この店を利用すると、自分にどんなメリットがあるのか」**です。
自慢と宣伝の違いは、主語にあります。
- 自慢:「自分はこれだけやっている」
- 宣伝:「お客様の悩みを、当店ではこう解決できる」
たとえば美容室の投稿なら、単に「今日も忙しかった」と伝えるより、次のような情報のほうが利用者の役に立ちます。
- 施術にかかる時間
- 料金と追加料金の有無
- どのような髪質や悩みに向いているか
- 色持ちや自宅での手入れ方法
- 混みやすい時間帯
発信は、自分を大きく見せるためのものではなく、相手の判断材料を増やすためのもの。この視点は、今後の店舗SNSでも大切にしたいと思います。
また、話す力を磨くために、お笑い芸人や実況者の話し方も参考にしています。言葉そのものだけでなく、間の取り方、例え方、連想の広げ方を観察すると、会話にも音声配信にも活用できます。
8月2日|習慣は心と身体を支えるが、強制は諸刃の剣
自分に厳しくすることと、習慣を持つことは、似ているようで少し違います。
毎朝ジムに行く流れができていれば、そのたびに強い意志を振り絞る必要はありません。着替える、外に出る、ジムへ向かうという一連の行動が、次の行動を自然に呼び起こします。
つまり、自分を動かすために必要なのは、根性よりも環境や仕組みである場合が多いのです。
一方で、人に対する強制は難しい問題です。適度な締め切りや責任は行動のきっかけになりますが、強すぎる抑圧は、本人の「やってみたい」「話してみたい」という気持ちまで閉じ込めてしまいます。
子どもの習い事でも、ただ「やりなさい」と言うだけでは長く続きません。
本人が何に興味を持っているのか。その課題を終えると何ができるようになるのか。努力と結果のつながりを理解できるようにすることが大切だと感じました。
8月3日〜4日|ゲームのストレス、身体の異変、そして声という道具
オンラインゲームは、離れた人と協力できる楽しい場所である一方、チャットで強い言葉や否定を受けることもあります。
相手の顔が見えない環境では、言葉が必要以上に攻撃的になりがちです。強い否定を受け続けると、話すことや挑戦すること自体をやめてしまう場合もあります。
ゲームに限らず、家庭や職場でも、相手の行動を変えたいときほど、言葉の圧力だけに頼らないことが重要です。
また、身体にできていた小さな皮膚病変を血豆だと思って触ったところ、想像以上に出血し、止血に苦労しました。写真や症状を調べた段階では、毛細血管拡張性肉芽腫(化膿性肉芽腫)の可能性も考えました。
この病変は毛細血管が豊富なため、少しの刺激でも出血しやすいとされています。ただし、写真や自己判断だけで診断はできません。MSDマニュアルでは良性病変として説明されていますが、見た目が似る別の病変もあるため、出血を繰り返すできものは皮膚科で確認することが重要です。
なお、「この病変がそのまま皮膚がんになる」と断定するのは正確ではありません。良性であっても、悪性病変との鑑別が必要という意味で受診が大切です。
この出来事を通じて、身体の異変を自分でいじり続ける危険性と、休養日の必要性を改めて感じました。
同時に、声も一つの道具だと考えるようになりました。
低めの声で、ゆっくり、はっきり話す。上手な人の声を聞き、真似し、自分に合う部分を取り入れる。道具の扱いを練習するように、声の使い方も反復によって磨けるはずです。
8月5日|花笠まつりと、地域小売業の戦い方
山形では花笠まつりが始まりました。山形花笠まつり公式サイトによると、開催日は毎年8月5日・6日・7日の3日間です。
祭りの話から、小売業の薄利多売、ドラッグストアの多店舗展開、スーパーマーケットの売場づくりへと話が広がりました。
薄利多売は、一つの商品で大きな利益を取るのではなく、来店客数と購入点数を増やして全体の利益を作る考え方です。しかし、価格を下げれば成立するほど単純ではありません。
低価格で利益を残すには、仕入れ、物流、在庫、作業時間、人員配置まで効率化する必要があります。店舗数を増やせば売上も増えますが、家賃や人件費などの固定費も店舗ごとに発生します。
そこで使われるのが、特定地域へ集中的に出店するドミナント戦略です。配送効率や認知度を高めやすい反面、自社店舗同士の顧客の奪い合いや、地域内で固定費を抱えるリスクもあります。
また、スーパーマーケットでは、何を入口付近に置き、何を奥に置くかによって、お客様が店内を歩く経路が変わります。品ぞろえだけでなく、陳列や動線そのものが販売の仕組みになっているのです。
私の店も低価格・短時間施術を特徴としていますが、「安い」だけでは継続できません。
どのサービスで来店理由を作るのか。どの価格なら、お客様の納得と店の継続性を両立できるのか。小売業の仕組みは、美容室経営を考えるうえでも非常に参考になります。
8月6日|平泉は、現世に極楽浄土を表そうとした都市だった
世界遺産検定の勉強では、岩手県の「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」を取り上げました。
構成資産は、次の5つです。
- 中尊寺
- 毛越寺
- 観自在王院跡
- 無量光院跡
- 金鶏山
文化庁の国指定文化財等データベースでも、この5資産が確認できます。
平泉は、11〜12世紀に奥州藤原氏が築いた東北の政治・行政の中心地で、京都に並ぶほど栄えたとされています。寺院、池、樹木、金鶏山などの自然景観を組み合わせ、この世に仏国土、つまり極楽浄土を表そうとしました。
ユネスコ世界遺産センターは、浄土思想と日本古来の自然崇拝が融合し、日本独自の庭園設計へ発展した点を平泉の重要な価値として説明しています。
当時は、現在のように映像や写真を簡単に見られる時代ではありません。だからこそ、思想を建築や庭園として目の前に表すことには、大きな意味があったのでしょう。
なお、音声内で「金色堂は10円玉に描かれていたのでは」と話しましたが、10円硬貨に描かれているのは京都府宇治市の平等院鳳凰堂です。これは造幣局の解説でも確認できます。
間違いに気づき、調べ直すところまで含めて勉強です。
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h2>8月7日|好奇心を「学びの道具」にする
絵、音楽、運動、ものづくり。人によって、興味を持つものも、能力が伸びやすい方向も違います。
重要なのは、何でも同じようにやらせることではなく、その人が何に反応し、どのような体験で力を発揮するのかを見ることです。
もちろん、好きなことだけをしていればよいわけではありません。必要な課題に取り組む力も大切です。
ただし、強制だけで動かすよりも、「これができると何につながるのか」を本人が理解できたほうが、学びは長く続きます。
好奇心は、気分任せの感情ではありません。次の行動へ進むために使える、学びの道具です。
一方、この日は前日の疲れが残り、体調もあまり良くありませんでした。細かな不安が重なると、考えること自体が嫌になる場合もあります。
そんなときに必要なのは、さらに自分を追い込むことではありません。休む、検査を受ける、結果を確認する。身体の状態を把握したうえで、次に進むことです。
学びも仕事もトレーニングも、健康という土台があって続けられます。
10日間を振り返って見えた5つのこと
今回の10日間を整理すると、次の5つに集約できます。
1.インプットすると、日常の見え方が変わる
小売業の知識があれば、価格の背景を考えられます。世界遺産を学べば、建物や庭園が思想の表現であることに気づけます。
2.好奇心は、学びを続ける燃料になる
義務だけでは長続きしません。「なぜだろう」「もっと知りたい」という感情が、次の勉強を呼び込みます。
3.強制よりも、行動しやすい環境を作る
意志の強さだけに頼らず、時間、場所、道具、習慣を整える。人に教える場合も、興味と課題を結びつける工夫が必要です。
4.アウトプットすると、自分の間違いが見える
話してみると、知識の曖昧さや論理の飛躍に気づきます。恥ずかしさはありますが、修正できること自体が前進です。
5.健康は、すべての活動を支える土台である
頑張り続けることだけが正解ではありません。異変があれば休み、必要なら専門家に確認する。その判断も、継続するための技術です。
まとめ|学びとは、自分の見方を更新し続けること
この10日間、世界遺産、小売業、SNS、ゲーム、健康と、さまざまなテーマについて話しました。
共通していたのは、知識を増やすことよりも、自分の見方を更新することの大切さです。
知らなかったことを知る。分かったつもりだったことを調べ直す。体験したことを言葉にして、自分の考えを修正する。
その積み重ねが、謙虚さや敬いにつながり、また新しい好奇心を生みます。
完璧に話せなくても、間違いがあっても、学びを止めなければ考え方は少しずつ深くなっていきます。
これからも、日々の仕事や生活で気づいたことを声に出し、自分なりの学びとして残していきたいと思います。